2007年3月29日木曜日

20年前のカーグラフィック

御大、ポールフレール氏に応援していただいて、良い気分になりましょう。「カーグラフィック1987年3月号」です。とにかく賛辞賛辞!嬉しくなります。解り易い文章、そしてディープ、その全てを引用したくなります。
「タコメーターのレッドゾーンは7000rpmから始まるが、イグニッションのカットオフは針が7500rpmに達するまでは作動しない。耐久性を考慮してニモニック(非常に熱に強く、タービンブレード等に使われる合金)の排気バルブが用いられ、サーモスタットによってコントロールされるオイルクーラーもセットされている。」「フェラーリ・エンジンは、もっと回してくれと言わんばかりに嬉々として回転を上げるし、各ギア比の配分もまさに適切で、3速はカットオフが効く前にちょうど160km/hに達し、4速では200km/h強まで引っぱれる。8.32はまさにスポーツカードライビングの世界へ招待してくれるのだ。このように運転すれば、たとえどんな状況下であろうと、ほとんどいかなる車を置き去りにすることができる。」
もう一つ、評判の悪いミッションについても、
「テーマ用のクラッチとギアボックスが強化されて使われているが、クラッチディスク径は230mmと他のテーマ用と変わらない。1速が高くされている他は各ギア比も同じである。しかし、ギア材質の変更、ベアリング類の大型化、シンクロメッシュ・コーンのモリブデン・コーティングに見られるように、市場に出回っているいかなる車との比較にも耐え得る、真に高品質な車を作るための詰めの努力において、ランチアにはやり残していることなどないように思える。」
そうなんです。20年前の設計なんです。20年前とは、10月19日、ニュ-ヨ-ク株式市場が 大暴落(ブラック・マンデ-)に見舞われた年。若い人は知らないよね。

2 件のコメント:

ロンバルディ さんのコメント...

普通のサルーンボディにでかいエンジンを押し込めてバカっ速にするという手法は、テーマ832以前はベンツしかまともにやっていなかった。それだけメーカーがやるにはリスクが多い選択なのだろう。ベンツほどは完成度が高くなかったかもしれないが、でもそれと引きかえに得られた官能度はベンツの比ではないのでは?だから、ポールや自動車雑誌の編集者のコメントよりも、オーナーの生の声がもっと聞きたいっす。

832 さんのコメント...

930(911)を見に行った時は、事前にさんざん資料を見て、知識を増やしてから店に行った。買うことは決めていたので試乗もしなかった。8.32の場合、事前には何も知らず、それほど買う気も無いまま、ただ、フェラーリエンジンが載っているとだけ知っていた。で、店に見に行ったら試乗させてくれた。雨の中5分乗って決めた。「これ買う」と。